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南紀白浜さんぽ3(クラゲ博士)

今回の紀州旅行は、某先輩にお声掛けいただいた

那智勝浦のマグロや京都の福島支援の取材が目的。

 

でも実は、久保田信(くぼた・しん)先生を

白浜にお訪ねすることも、ひそかな大目的でした!

 

それで一路、高速バスで白浜へ。白浜には空港があり、

JALでも飛んで行けます。温泉でも有名な観光地です。

食事もおいしい(先生のほほ笑みからお察しください)。

久保田先生は、私が編集をお手伝いしている

隔週発行のメールマガジン「うみひるも」に、

エッセイを寄稿くださっているクラゲ博士です。

 

「うみひるも」は、生態学者の向井宏先生の

「海の生き物を守る会」の機関紙で、私は

2012年から編集担当として、ぜいたくにも、

いつも一番に原稿を拝読しています。

 

久保田先生は京都大学の瀬戸臨海実験所の周囲

に広がる自然のままの海岸を毎日まめに往復して、

貴重な資料画像を撮りためては、快活な解説付きで

「うみひるも」にお送りくださいました。

 

しばしば、そのエッセイの舞台となった

「北浜」という400mほどの白い天然の砂浜も、

今回やっと目にすることができて、感激でした。

 

ちょうど先生は、この春に京都大学を退職し、

新たに「ベニクラゲ再生生物学体験研究所」を

立ち上げられました。

 

その転機に合わせ、「うみひるも」でも

漂着物シリーズをいったん終え、

現在は新シリーズとして、久保田先生の

生き物に関するポエム(歌詞)を連載中です。

 

実は久保田先生は “歌う生物学者” でもあり、

「ベニクラゲマン」として作詞と歌唱をこなし

カラオケショップのリストにも複数の曲が登録

されている方(詳細は先生のホームページで)。

 

自然のままの圧倒的な美しさをたたえた浜を

眺めていたら、ここで26年間も毎日のように

生き物を観察してきた先生が、生命の神秘や

奇跡的なつながり、地球上のヒトの立ち位置

などについて、深く思い至った理由がわかる

ようでした。一見、動くもののいない砂浜にも、

小さな動植物がたくさんいて、一つの漂着物

にも計り知れないメッセージが込められていて、

陸と海の境には、いつでもドラマがあるのです。

 

 

白浜水族館から車で10分ほどの場所にある

私立の「ベニクラゲ再生生物学体験研究所」は今、

まさに開設準備中。未公開ですが、チラリと。

少林寺の道場だった建物だそうで、とても天井が高いです。

複数の棚が並び、はく製などが搬入されていました。

顕微鏡も文献も、たっぷりすぎるほどあります。

 

ほぼ全て、先生のお友達やお知り合いが、

ここのために無償で譲ってくれたものだそうです。

「ほんと、ありがたいですよ」と繰り返す久保田先生。

 

仕切り棚の向こうは10人ほどで使える実習室です。

いずれは学習やイベント、ワークショップなど、

いろいろな体験の場になりそうです。

もちろん、施設の一角には久保田先生の研究室もあります。

 

最近、珍しい「コノハクラゲ」が20-30年ぶりに見つかり、

飼育を始めたそうです。

施設の開設準備も多々ある中でお世話が大変そうですが、

恩師(分類学の大御所・内田亨先生直系の山田真弓先生)

との大切な思い出が詰まった種だということなので、

いわば、人生の節目を祝うアニバーサリークラゲちゃん。

 

見えるでしょうか。先生の指の先に浮かぶワナワナとした

白い輪のようなものが貴重なコノハクラゲ(の1匹)です。

「ベニクラゲ再生生物学体験研究所」は、

7月16日(今年の「海の日」)にオープン予定とのこと。

 

夏休みの自由研究のネタが見つかるかもしれません。

お出かけになってはいかがですか?

 

場所など詳細は、追って、このブログでもご紹介します。

 

つづく

 

祝・オープン!

 

久保田先生の新施設「ベニ研」が2018年7月16日「海の日」に無事にオープンしました!

 

 

詳細は、向井宏先生ご発行のメールマガジン「うみひるも」の最新号(7/16発行)18ページに掲載いたしました。ぜひご覧ください!

 

※「ベニ研(べにけん)」という略称は向井保子さん発案。とっても覚えやすくて素敵です!

 

 

ベニクラゲ再生生物学体験研究所和歌山県西牟婁郡白浜町2787-1)

 

末尾の住所がGoogle Mapで出てこないので、

検索頼みですと、ちょっと迷われるかもしれません。

 

元少林寺の道場だったところです。

地名は「にしむろぐん しらはまちょう」と読みます。

 

先ほどGoogleに研究所名を入れて登録申請しておきました。