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トリチウム水のこと

じわじわと迫りくる「処理水」の海洋放出。

政府や原発村が、そんな動きを強めております。

 

いや、いいじゃないの、早くやりなさいよ。

そんな声も聞こえてきそうです。

 

実際、いろいろな研究事例を踏まえて「大丈夫でしょう」と

楽観している科学者が案外多くて、ここ数カ月で私も揺れています。

 

もしかして大丈夫なのかな?

もちろん何も悪い影響がなければ一番です。

 

ただ、まだ確信できません。

 

一部の科学者が内輪でいくら納得しようと、一般市民は置いてけぼり。

もう少し勉強しないと、私は自分なりの答えが出そうにないです。

 

科学コミュニティーも一枚岩ではないとはいえ、

専門家の世界と、全く分からない(あるいは興味がない)人たち

との距離はかなり開いています。

 

政府筋から大丈夫!と言われて逆に不安になる人も多いでしょう。

 

そして、ここが結構ポイントなのですが、

流して大丈夫派でも、将来の影響については誰も明言できません。

 

ほんとだ、予想通り大丈夫だった!となれば万々歳ですが、

私たちは100年そこらで死ぬので結末を確認できません。

何をするにも、続く世代に対する大きな責任を自覚しないわけ

にはいかないのです。福一の量だけで、どうこうはないかも

しれませんが、だから良し、ではなくて、ほかの場所から

流されているものも含め、「トリチウムは海に流してOK」

という風潮自体を私は懸念しています。

 

この地球には人間だけでなく、たくさんの生物がいます。

すべてが複雑に絡み合っていて、だから強いけれど、

地球のストーリーとしては、生き残るのは別に

わがまま放題の人間でなくても全然いいわけです。

 

調子に乗るな、ヒトよ。原発なんか作って(地球の声)。

 

ちなみに、私は原発は嫌いです※。

この立場は何年も揺らいでいません。

 

 

そして、汚染水や核のゴミの問題は、

反原発とは別です。目の前にすでにある問題なので。

 

トリチウム水を、どれぐらいのコストをかけて、

いつまで、誰が(作業員の犠牲の上に)保管し続ける

べきなのか、というのは誰もが逃げられない問題です。

起きてしまった事故の後始末として。

 

そして処理先として想定されているのが

海、というところが、やっぱり悩みの種です。

ただの水が入ったプールではないので。

 

海は生物多様性の宝庫です。

 

ちょっと生物学をかじっただけでも、

生き物同士の絡み方は複雑すぎて、風が吹けば桶屋が……

ではないですが、何がどう影響するか読み切れません。

 

ヒトの脳では自然界の摂理は理解しきれず、

結果的に、自分の首を絞めることを

たくさんしてきたのが、ここ100年ほどの、

数世代前からの私たちなのでして。

 

ジャーナリズムは弱きに寄り添うのが「本来の」使命

なので(最近は逆では?と思う報道が多くて驚きます!)

どちらかというと未知の危険を懸念するサイドを

支持するべきでしょう。

 

しかし、その根拠に間違いが含まれていたら、

誤った固定観念を世間に植え付け、

人々の分断を招き、対立を煽ることにもなります。

 

だから今の私は安易に海洋放出反対だけを唱える

立場にも立てず、勉強不足の自分を呪っています。

 

もっと関連する情報を誰とでも共有したくて、

隙間時間で少しずつ構築しているのが、

「どうする? 処理水」というウェブサイトです。

 

対話を目指しているけれど、今のところ一人です。

締め切り仕事に追われていて余裕がないですし。

もともと群れるタチじゃないので、このままでは

ずっと口先だけの「対話の場」になりかねない。

それでは意味がないので、コロナウイルスの嵐が

去ったら(この苦しい時期、多くの人の涙と努力

の結果、危機が少しでも早く去りますように……)、

少しずつでも足を動かしたいと思います。

 

 

追記

※好き嫌いというより、早く足を洗い既存の基も

順次たたんで、核のごみを増やさないで終わって、

と思っている。地震のない国で処理法も決まった

上で使っている場合でも環境影響や事故の場合の

被害が気になるから反対するかも。日本では無理。

原子力に頼り別の電源開発に本気になれなかった

という意味でも国の未来を暗くした発電法だった

と思っている。処理先も分からず使うのは無責任。